院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス㉙

30歳代外国人男性(東南アジア系)で、2年ほど前から皮疹が全身に地図状に分布している患者さんが来られました。10歳以下の男の子3人と一緒に来られて、「私と同じ乾癬ではないのか?」という不安の解決が自身の治療よりも優先しての第一目的でした。在日期間は長いようで会話での意思疎通は問題無さそうでしたが、パンフレットなどの文書を使っての説明は、文字が苦手とのことで、持ち帰って友人に読んでもらうこととなりました。

診察してみますと子供たちは顔面を含めて背部や肘・膝部を中心に湿疹局面が分布しており、明らかにアトピー性皮膚炎でした。聞いてみると3人ともにかなりの幼少期から皮疹が出現していると言われ、お父さんより以前から症状はあったようです。

乾癬は家族内発症が約5%ほどであり、逆に言うと9割以上の方には家族内には同症の人がいないことになります。また男性では中高年に好発年齢があり、幼児からの発症はかなり少ないと言えます。

お父さんには、症状・発症頻度・年齢の説明をして、子供さんたちにはアトピー性皮膚炎の治療を、自身には紫外線照射を中心とした乾癬の治療を受けて頂くことになりました。

最後には「この子供たちが将来的に乾癬にならないのか?」という質問を受けましたが、これについては私を含めて誰も「なりません。」と断言できないでしょう。家族内発症がゼロではないですし、経験的にアトピー性皮膚炎との併発は少ないとは言われていますが、私のクリニックでも両方で悩んでおられる患者さんもおられます。普通の人が中高年になっても0.数%の割合で発症リスクがあるわけで、この3人の子供さんも例外ではありません。

将来、治療方法の進歩とともに病因の解明や、より詳しい発症リスク要因が解明されることを期待しています。

関西乾癬
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