院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス⑰

ビタミンA誘導体のチガソンは、30年近く前より使われている古い薬剤ですがたいへん有用です。と言いますのは、当クリニックでは光線治療を中心に行っているのですが、なかなか改善しない患者さんに併用しますとかなりの効果を得る場合があるのです。さらにビタミンAを基に作られているので、他の薬剤との飲み合わせがほとんどありません。しかし副作用には注意が必要です。

重大な副作用として、催奇形性があります。妊娠可能な女性に対しては、妊娠していないことを確かめた上で服用を開始することが必要です。例えば、次の生理が始まってから2,3日後までチガソンの服用を待つ、又はチガソンの服用を開始する前2週間以内に妊娠検査薬を用いて妊娠していないことを確かめる、などです。また女性患者さんでは、チガソン服用中及び服用を中止してから2年間は必ず避妊することが求められます。また男性患者さんでもチガソン服用中及び服用を中止してから6か月間は必ず避妊することが求められます。このため当クリニックでは、若い患者さん、特に女性患者さんにはほとんど使わないようにしています。

催奇形性以外にも、皮膚が薄くなる・表面が剥がれる・、唇や口腔内が荒れる・食欲不振・嘔吐・頭痛・関節痛などの副作用が現れることもあります。献血についても2年間は制限されます。このようにいろいろと注意事項があるので、処方時には、同意の署名や書面の受け取りなどを求められます。

注意の多い薬剤であるにもかかわらず長い間乾癬治療において独特のポジションを得ているのは、欠かせない場面もあるからです。受診が不定期な患者さんでは、それに伴って多少内服が不定期になってもチガソンは体内に比較的長く留まっているため、ある程度の効果は発揮していると考えられます。また頭部、手掌、足底や肘膝などに厚い鱗屑を伴うような皮疹を持った患者さんには光線治療、とくにエキシマランプとの併用で効果があると考えています。

催奇形性を恐れる必要のないご年配の患者さんには、重要な選択肢の一つと成り得ます。

関西乾癬
サポート
システム

06-6394-3200

09:30~12:30
16:30~19:30

火・土午後、
日・祝休診