乾癬に対してビタミンD3外用薬は、皮膚の細胞が過剰に形成されるのを抑制し、皮膚の新陳代謝を調整し正常な皮膚の再形成を促す効果があります。
特に浸潤・肥厚(しんじゅん・ひこう:皮膚の細胞が過剰に作られて、表皮が盛り上がる症状)や鱗屑・落屑(りんせつ・らくせつ:患部の表面に銀白色の細かいかさぶたができ、それがフケのようにポロポロと剥がれ落ちる症状)に効果的です。
ステロイド外用薬と比べて効果が現れるまでに時間がかかりますが、副作用が少ないとされていて、一度良好な状態が得られれば、その状態を長期間維持することが可能だと言われています。
現在、日本では3種類のビタミンD3外用薬が用いられていて、どの薬剤を使用するかは患者様お一人おひとりで異なると言えます。
あくまで目安ではありますが、当院での判断基準は次の通りです。
症状の面積がそれほど広くなく、ビタミンD3外用薬のみでもコントロールできる可能性があり、さらに患者様が多忙で1日1回の外用が精一杯の場合。
1日2回の外用が可能で、ステロイド外用薬との併用の必要があるほど症状の面積が広範囲で、顔面や頭部にも乾癬皮疹が分布している場合。
顔面や頭部にはあまり皮疹は見られないが、体幹部、四肢を中心にかなり厚い鱗屑をともなった乾癬皮疹が見られる場合。
ビタミンD3外用薬のみで症状のコントロールが可能になる患者様は限られていると言えますが、ステロイド外用薬を使わず我慢強くビタミンD3外用薬のみを使用して症状が改善された患者様の場合、症状が再発するまでの期間は、ステロイド外用薬を併用された方と比べて長いという印象があります。
そのため、長期的な治療方針にご納得いただけるようでしたら、ビタミンD3外用薬のみを使用するというのも選択肢の1つであると言えます。
ただし、症状の面積が広範囲におよぶような場合には、ステロイド外用薬との併用が必要になります。
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