院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス㉖

10歳代の男性で、数年前から乾癬の皮疹が体幹部及び両下肢に分布している患者さんがおられます。いつもお母様と同伴です。最初は紫外線全身照射及びドボベット軟膏外用でコントロールしていました。治療に関して当クリニックでは、企業が配布するパンフレットや私自身が作成した文章をお配りして、治療を心配なく継続して受けてもらえるように配慮しています。それでもお母様は、ご心配されており毎回何らかの質問をされます。やがて効果が出てきて皮疹面積が減少し始めると、質問の回数も減ってきました。

一般的に若年層の患者さんには、紫外線照射のエネルギーはなるべく弱く、照射面積はなるべく狭く、照射回数はなるべく少なく、を基本に治療を進めています。紫外線は皮膚がんの発症要因として知られていますし、当クリニックで行っているナローバンドUVBやエキシマランプはその危険性がかなり抑えられているとは言え、長い将来のことを考えると心配の種を残したくないからです。

皮疹が膝下に限局するまでになると、全身照射からターゲット照射と言って狭い部分に紫外線を照射する機器に変更して行うようになりました。外用はドボベット軟膏のままで継続していました。お母様も途中から安心され同伴されなくなり、定期的に1~2週間に一度紫外線照射の治療を続けていましたが、ある日皮疹部の体毛が濃くなっていることに気づきました。患者さんに何時ごろから濃くなっているのか聞いたところ、私に言われるまで気にしなかったとのことです。その後お母様にも聞いたのですが、「そう言われれば、、、」と気付かれておられませんでした。

ドボベット軟膏はステロイドが含まれているために、その副作用である多毛が見られる恐れは十分あったのです。

紫外線照射だけでなくその他の治療についても副作用等に十分留意しないといけないと思った症例です。

関西乾癬
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