院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス㉕

40歳代の男性で、20歳のころから20年以上乾癬の皮疹が続いている患者さんの話です。最初は前腕と下腿に皮疹が分布していたため、外用中心の治療でステロイド外用剤とビタミン外用剤を交互に使っていただきました。そのうち会社で昇進するとともにストレスが溜まってこられたのか腹部や背部にも皮疹が拡大してきました。今後の治療方針について相談すると、多忙ながら勤務先がクリニックから近いということもあり、当クリニックの紫外線全身照射の装置はおよそ1~2分以内で照射が終了するため、少しの時間なら抜けて週1~2回受診可能であるとのことで、外用と紫外線治療を併用する方向で方針が決まりました。来院の頻度は多少不規則でしたがそれでも皮疹面積は当初の10~20%にまで減少し、照射間隔も月に2回ほどでコントロール可能な状態にまで回復しました。

ところがさらに出世されて東京本社勤務になったとのこと。患者さんには紹介状の用意をするので勤務先に近いクリニックで紫外線照射装置のあるところを探してきてくださいとお伝えしていました。赴任直前になっても何も言ってこられないのでお聞きしたところ、ご自宅は大阪のままで単身赴任するため、月1度のペースで当クリニックに受診したいとのことでした。紫外線照射を月1度では難しいと考えていたのですが、案の定数か月すると皮疹が増加してきました。患者さんとの相談ののち、アプレミラスト錠(商品名:オテズラ錠)を内服して頂くことになりました。ただ、こちらのお薬代は3割負担の保険の方で、2週間分8,000円強(2019年7月時点)といささか高価なのですが、患者さんの希望もあり、数か月内服を続けられると目に見えて皮疹は減少しました。今でも皮疹は少し残っていますが、100円玉程度のものが数か所背部腹部に残る状態に落ち着いています。

患者さんの社会状況、生活環境に合わせて内服・紫外線照射・外用とそれぞれの治療を組み合わせて最善の方向にもっていくことも医者の大切な役割です。

関西乾癬
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