院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス㉔

30歳代女性の患者さんで、高校生の時から15年近く乾癬の皮疹に悩まされておられる患者さんがクリニックにやって来られました。当クリニックへ来院されるまでに数多くの病院へ行かれたようです。乾癬の患者さんでいろいろな病院でたくさんの説明を受けている患者さんは珍しくありません。ただ早急な効果を求めるあまり、短期の受診を繰り返すだけで治療を切り上げておられるようなので、当クリニックではこれまでの様に早急な結果を追い求めずにじっくりと治療に取り組んでいただけるかを確認した上で、紫外線治療を始めました。若い女性の乾癬は紫外線治療の効果が出やすいという印象があるので低い照射量から始めますと、予想通り5~6回目ぐらいで70~80%の皮疹が消退しました。患者さんにはさぞかし喜んでいただけると思い込んでいたのですが、顔を見てみると今一つ冴えない表情です。そこでこちらから「乾癬の皮疹が半分以上消えましたね。」と私にすれば控えめな言い回しをしてみたのですが、患者さんの答えは「乾癬の跡の色の沈着はいつ消えますか?」でした。この患者さんは特に肌の色が白い方で、確かに乾癬の皮疹のあった部位にまだら模様に褐色調の色素沈着が残っていました。病変が無くなってその跡については時に淡い褐色調でしばらく残ったり、逆に白く抜けた様になることもよくあるので、医者としては特に気に留めなかったのですが。

乾癬に限らず一般的に火傷やケガの治療が終われば、その跡について医者はあまり気にしない傾向があります。しかし患者さんにとっては、特に若い女性には元の皮膚の色調に戻って初めて治療が終了したことになると気づきました。早急な結果を気にしていたのは私の方だと知らされた一例です。

関西乾癬
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