院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス㉓

私のクリニックには毎月200人から300人の乾癬患者さんが通っておられます。新しい患者さんも毎月10人以上来られます。その中から印象に残っている患者さんのケースを紹介したいと思います。具体例をそのまま述べると触りがあるのである程度は脚色します。

50歳代男性の患者さんで乾癬歴は25年と長期にわたっています。当クリニックへの通院も8年が経過し全身の紫外線照射治療とステロイド外用剤とビタミン外用剤の併用で全身に広く分布していた乾癬皮疹がかなり減少し、腹部と背部に手のひら大の紅斑を残すのみとなりました。ここで最近発売されたドボベットゲルを外用し始めたのですが、背部は著しく効果があるのに腹部はかえって悪化してきました。同じ治療を行っているのに何故か一方は良くなって他方は悪化してと考えられない状況のため、悪化した部位から皮膚をこそぎ取って顕微鏡で見たところ、白癬菌、いわゆる水虫菌が出てきました。これまでもステロイド外用剤を使っていましたが、ドボベットゲルのステロイド成分は強力なためなのか感染しやすくなっていたと思われます。そこで足を見せてもらうと案の定、足にも白癬菌が見つかりました。

いつもは、足や爪にも変化がある場合は乾癬による変化と白癬菌による変化が似通っている場合もあるため、新しい患者さんでは必ず顕微鏡検査を行っているのですが、長きにわたって通院されている患者さんの場合そのチェックが疎かになっていたようです。

この患者さんの場合、腹部にはドボベットゲルの使用を止めていただいて抗真菌剤を外用してもらうことで軽快傾向が見られました。

皆さんもステロイドを含んだ外用剤を使用してもかえって悪化するような皮疹がある場合には担当医に相談されてはいかがでしょうか?

日頃から水虫に罹っている場合はなおさらその危険があるので注意が必要です。

関西乾癬
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