院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス⑪

これまで5回近くにわたって乾癬の外用療法について述べてきましたが、今回から紫外線療法について述べていきたいと思います。

私のクリニックでは乾癬治療の中心に紫外線療法を据えています。現在行われているナローバンドUVB照射療法は、日本ではここ十数年でかなり普及してきました。紫外線というのは、太陽光線の中でも波長が200~400nmのものを言い、さらにそのうち320~400nmをUVA、290~320nmをUVB、200~290nmをUVCと言います。UVCは地上にはほとんど到達しません。ナローバンドUVBは特に311nm付近の限られた波長の紫外線のことです。

以前はPUVA(プバ)療法と言って、オクソラレンという紫外線に反応する薬剤を、外用、内服、もしくは浴槽に入れて入浴した後にUVAを照射する、かなり手間のかかる方法が紫外線療法として行われていたのですが、診療所レベルではなかなか大変でした。ところが近年、311nm付近の紫外線いわゆるナローバンドUVBが乾癬などの皮膚疾患に著効することが分かった為に、オクソラレンという薬剤を用いなくても、相応の効果が得られるようになり、機器さえあれば医師が一人の診療所においても本格的な紫外線療法が可能になりました。照射時間も機器にもよりますが、1回の照射時間は長くても4-5分以内で、ナローバンドUVBに似たエキシマランプ(波長308nm)では数秒のこともあります。ただ照射間隔は最初のうちは少なくとも1週間に1回は必要と考えており、通院の可能なクリニックにそれらの機器があることが、治療を開始する前提条件になります。

適応患者さんとしては、外用治療で効果の得られなかった方、皮疹面積が広くて外用が困難な方、面積が広くなくても目立つ部位に皮疹がある方、他の治療が副作用の出現などで続けられなくなった方、他の治療では副作用の出やすい高齢者の方などが考えられます。通院に難色を示す方、早急な効果を期待する方、乳幼児には不向きと考えられます。
紫外線療法を始めるにあたっての注意事項や副作用、機器の詳しい説明については、次回以降で述べさせていただきます。

関西乾癬
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