院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス⑩

前回のこの欄で紹介させて頂いた、ビタミンD3外用剤とステロイド外用剤の混合製剤、「ドボベット軟膏」が、本年9月より処方可能となりました。私のクリニックにおいてもこれまでのビタミンD3外用剤とステロイド外用剤との併用療法でなかなか効果の得られなかった患者さんに説明して同意を得た上で使用を開始しています。

どのような患者さんに使用を始めているかと言いますと、1週間に90gという使用制限がある為、まずは皮疹面積が広すぎない方です。1日にしますと13g弱までとなる為、1本が15g、最大で1本の85%ぐらいの使用量です。ただこれまでの外用剤とは異なり1日1回外用なので、1度に13gの使用が可能で、標準的な外用剤の使用基準(0.5gで手のひら2枚分、全体表面積の2%)を基に考えると全体表面積の50%程をカバーすることが可能になります。皮疹面積が50%以下の患者さんを対象とすると、かなりの方に処方が可能と考えられますが、ここで経済的な問題が出てきます。

薬の値段は新しいものほど、また効果のあるものほど高く設定されます。今回のドボベット軟膏は1g当たり276.4円、つまり1本15gで4,146円です。保険3割負担の方でも約1,240円になります。使用限界の1週間に6本処方すると1,240×6=7,440円。薬剤費だけでこの金額ですとかなりの負担になってしまうので私のクリニックでは、皮疹面積が10%以下の患者さんや、皮疹面積が広くても光線療法などで軽い皮疹はコントロール可能で難治性の皮疹が肘、膝、お尻に限局しているような患者さんに対して2週間分を目安に2-3本処方し始めています。

また顔面には使用を禁じられているので、皮疹が顔面に分布している患者さんは適応外となります。さらに患者さんによってはステロイドを拒絶されている方もいるので、そのような方にはステロイド成分が含まれていることを納得していただく必要があります。

この原稿を書いている時点では、2週間外用して頂いた患者さんがまだ10人程ですが、半数近くの患者さんにこれまでよりも効果が認められます。皆さんも主治医と相談されて試されては如何でしょうか?

関西乾癬
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