院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス⑥

今回から乾癬の治療法について述べていきたいと思います。まずは外用治療による保湿について説明します。

前回述べましたようにケブネル現象により刺激をきっかけに乾癬皮疹が拡大することが多いのですが、刺激を減らすためには保湿剤の使用を勧めています。保湿剤にはクリームタイプ・乳液タイプ・スプレータイプがあり医者の処方箋でも出せるものがありますので、相談されればよいと思います。私の場合、皮疹の拡大を防止するため入浴後に保湿のローションを乾癬の皮疹と関係なく広範囲に外用して頂くよう説明しています。その後、乾癬の部位に乾癬治療の軟膏を使用して頂きます。順番が逆では正常部にも乾癬治療の軟膏が付着して良くないと考えるからです。さらに乾癬治療の軟膏が保湿剤で希釈されて効果が弱まってしまう恐れもあります。

また手足や頭皮のような時に厚い鱗屑が付着するような部位には、ワセリン製剤を外用して頂くことがあります。ワセリン製剤はべたつくので使用感が良くありませんが、頭皮については入浴前に外用して頂くと、入浴時の洗髪で鱗屑が落ちやすくなり、その後の外用剤が浸透しやすく効果が期待できます。また手足については、紫外線照射前に外用して頂くと、紫外線の吸収効率が上がり、効果が出やすくなることがあります。この場合サリチル酸という皮膚の角質を軟化させる成分を含めて処方することが多いのですが、時にこの成分が皮膚を刺激することがあるので、使用時にヒリヒリするようならお知らせくださいと、説明します。

乾癬治療は長期にわたることが多いため、塗り方を最初に説明しても次第にあいまいになることがよくあります。患者さんに混乱させないように定期的に説明し直したり、軟膏の色調や容器に特徴をもたせて見分けやすくし、混乱を防ぐ工夫をしています。

関西乾癬
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