院長のワンポイントアドバイス

乾癬ワンポイントアドバイス④

今回は皮疹の分布について一言。
乾癬の皮疹の分布はかなり個人差がありますが、それでもいくつかの特徴があります。最初に皮疹の見られる場所は、約3割の方は頭部から始まると言われています。このため頭部に生じやすい疾患である脂漏性湿疹と診断されていたり、どちらか鑑別のつき難い患者さんもおられます。ただある程度症状が進むと、脂漏性湿疹は黄色っぽいフケが付着するのに対して、乾癬の場合は白い細かなフケが付着していることが多く、頭から連続した皮膚症状が額や耳回り、うなじに広がっていることがあるのも特徴の一つです。

頭以外では、肘・膝・腰まわりなど衣類と擦れやすい所や、ベルト・下着などで圧迫される腹部、女性の胸部にも出やすい特徴があります。また靴下のゴムが当たる脛の部分に見られることも多いです。

仕事との関連も深そうです。タクシーの運転手さんは長時間座っているため、お尻から太ももの後ろに頑固な皮疹が見られることがありますし、サラリーマンの方はきついワイシャツやネクタイのためか首から肩周りにかけて皮疹が出ていることがあります。また体型による影響もあると思われます。例えば肥満体系の方はベルトで締め付ける腹部や、太もも同士が擦れてしまう太ももの内側、腕と胸の擦れる脇周囲に見られることが多いように感じます。また痩せている方は骨の飛び出した、腰骨や背中の肩甲骨周囲、及びその他の関節周りにも出やすいようです。

日常生活での刺激や擦れによって皮疹が出た部位は治療効果もなかなか現れにくい場合が多く、普段から刺激を与えないような注意も必要になってきます。
皆さんも改めてご自身の皮疹の分布の状態を入浴前にでも鏡でチェックし、上記のようなケースが当てはまらないか確認しては如何でしょうか。